① 歴史・背景
ラグ蒸溜所は、スコットランドのアラン島南部に位置する蒸溜所です。
2019年3月19日に最初の蒸溜を開始した、比較的新しいシングルモルト蒸溜所です。
アラン島北部のロックランザ蒸溜所と同じアイランズ・オブ・アラン・ディスティラーズが運営しています。
ラグでは、伝統的なウイスキー造りをベースにしながら、ピーテッドモルトを使った独自のシングルモルトを追求しています。
蒸溜所自身も、ピートを使用しながら「ピートだけが主役ではない」という方向性を打ち出しています。
コリクレヴィ エディションは、そのラグの個性にシェリー樽の風味を加えたセカンドコアレンジとして展開されています。
② ブランド・思想・位置づけ
ラグのウイスキー造りで特徴的なのは、ピートと甘みを対比させるスタイルです。
麦芽にはヘビーピーテッドのものを使用し、フェノール値は50ppmとされています。
一方、ピートの煙だけを前面に出すのではなく、樽由来の果実味や甘みとの組み合わせによって味わいに複雑さを持たせています。
コリクレヴィ エディションでは、まずファーストフィルのバーボン樽で熟成し、その後スペイン・ヘレス産のオロロソシェリーホグスヘッドで約6か月フィニッシュします。
バーボン樽主体のキルモリー エディションに対し、シェリー樽の影響を明確に加えている点がコリクレヴィの位置づけです。
③ 酒質・味わい・特徴
コリクレヴィ エディションは、55%という高いアルコール度数でボトリングされています。
香りには赤いベリーやダークチョコレート、スパイスのニュアンスが感じられます。そこへラグらしいピートの煙が重なります。
口にすると、濃厚な果実感とともにチョコレートやヘーゼルナッツ、焦がした木のような風味が広がります。
シェリー樽由来の甘い果実味に対して、ピートの煙とスパイスがアクセントとなり、甘さ一辺倒ではない味わいを形成しています。
フィニッシュでは、ダークチョコレート、ナッツ、甘いスパイス、煙の風味が残ります。
特に特徴的なのは、シェリー樽の濃厚さとピート香を同時に楽しめるところです。
ただし、アイラモルトのような薬品香を伴う強烈なピートとは方向性が異なり、果実やチョコレートを伴った甘く濃厚なスモーキーさが中心です。
④ 評価・支持される理由
コリクレヴィ エディションは、シェリー樽とピートを一緒に楽しみたい人に向いた一本です。
特にベリー、レーズン、チョコレートなどの濃厚な風味と、ピートの煙を組み合わせた味わいが大きな魅力です。
海外の専門メディアでも高く評価されており、Whisky Advocateでは94点を獲得しています。
同誌ではチェリー、ベリー、チョコレート、キャンプファイヤーの煙などが特徴として挙げられています。
一方で、熟成年数を表示しない商品であり、ラグ自体が2019年に蒸溜を開始した比較的新しい蒸溜所です。
そのため、長期熟成モルトのような熟成由来の重厚さを求めるよりも、若々しい原酒の力強さと樽の個性を楽しむタイプといえます。
55%という度数を生かすなら、まずストレートで少量ずつ味わうのが適しています。
加水すると果実や甘みの変化を確認しやすくなります。
国内では700mlが10,000円前後で販売されている例が確認できます。
⑤ 総括
ラグ シェリーカスクは、「濃厚なシェリー樽の果実味と、力強いピートを55%で楽しむアラン島発の個性派シングルモルト」と表現できるウイスキーです。

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