① 歴史・背景(創業・蔵元・ブランドの歩み)
ブラックボトルの歩みは1879年、アバディーンのグラハム兄弟から始まり、彼らは茶のブレンダーとしての鋭い感覚をウイスキーの調合に注ぎ込みました。
創業当時、中身の正体を見せない漆黒のボトルを採用したことが名の由来です。
長年アイラモルトを核とした力強いスモーキーさで知られるブランドとなり、2021年からは実験的シリーズ「アルケミー(錬金術)」を展開し始めています。
本作はその第3弾として、スコッチ史上初のアンデアンオーク樽を採用しました。
② ブランド・思想・位置づけ
アンデアンオークとは、アンデス山脈の標高が高い場所に自生する稀少な木材です。
この未知なる樽を用いた背景には、ブレンド技術の限界に挑む思想があります。
伝統を守りつつも、世界中の特異な素材を取り入れる革新性を体現しており、市場では「世界初の挑戦」を行うブレンデッドとして高い注目を集めており、スコットランドの伝統と南米のテロワールが融合した、稀有な立ち位置です。
アイラモルトの個性と新しい樽の甘みを高次元で両立させることを目指しています。
③ 酒質・味わい・特徴
グラスに注ぐと、アンデアンオーク特有の力強く甘い香りが広がります。
バニラやキャラメルのような濃厚な甘みが、口当たりを非常にリッチにしている一方で、ナッツのような香ばしさと繊細なスパイス感が奥行きを与えています。
ブラックボトルらしい穏やかなスモーキーさが、甘みを引き立てるアクセントです。
ボディは中程度から重厚で、ベルベットのような滑らかな質感が特徴的で、余韻には、木樽由来の心地よい渋みと甘い香りが長く穏やかに持続します。
④ 評価・支持される理由
これまでのスモーキーなイメージを覆す「リッチな甘口」が支持されています。
新しい味わいを求める中級者から、甘みと煙の調和を愛する上級者まで幅広く愛されており、非常に飲みやすいため、ウイスキーに慣れ始めた方へのギフトにも適しています。
食後のデザート代わりに、あるいはナッツやチョコとの晩酌に最適です。
ストレートで味わうと、南米産オークがもたらす複雑な変化を克明に感じられ、ロックにすると甘みがより引き立ち、冷涼なアンデスの風のような爽快さが生まれます。
⑤ 総括
スコッチの伝統にアンデスの息吹を吹き込んだ、甘美でドラマチックな錬金術の結晶です。

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