① 歴史・背景
嘉之助蒸溜所は鹿児島県日置市に位置するジャパニーズウイスキーの蒸溜所です。
焼酎メーカーとして長い歴史を持つ小正醸造を母体として、2018年からウイスキー造りを開始しました。
嘉之助蒸溜所の特徴は、形状の異なる3基のポットスチルを使い分けて原酒を造ることです。
その複数の原酒を樽ごとに熟成させ、それぞれの個性を組み合わせながら嘉之助らしい味わいを構成しています。
2022 LIMITED EDITIONは、2017~2019年に嘉之助蒸溜所で製造された原酒を使用したシングルモルトです。
嘉之助蒸溜所にとっては、2021年のFIRST EDITION、SECOND EDITIONに続くシングルモルトの第3弾にあたります。
② ブランド・思想・位置づけ
嘉之助蒸溜所が掲げるコンセプトは、「MELLOW LAND, MELLOW WHISKY」です。
2022 LIMITED EDITIONも、このコンセプトを表現する一本として造られています。
大きな特徴は、ノンピート麦芽を使用していることです。
そのため、アイラモルトのような強い煙や薬品香を前面に出すタイプではなく、果実や甘み、樽由来の香味を中心に楽しむ方向性です。
さらにシェリー樽で熟成した原酒をキーモルトとして使用しています。
そこへ複数の樽原酒をヴァッティングし、59%のカスクストレングスで瓶詰めしています。
若い蒸溜所だからこそ生まれる原酒の力強さと、樽熟成による複雑さを同時に楽しめる位置づけです。
③ 酒質・味わい・特徴
色合いは赤みを帯びた琥珀色で、香りにはレモンティー、はちみつ、梅、ニッキのニュアンスがあります。
明るい柑橘系の香りだけではなく、はちみつのような甘さと梅の果実感があり、そこにスパイスを思わせる香りが重なります。
口にすると、ベリー系のドライフルーツを思わせる甘みが広がります。
続いてコーヒーキャンディーのようなほろ苦い甘さが現れ、古木を思わせるウッディな風味が全体に奥行きを加えています。
特に印象的なのは、甘さだけで終わらないところです。
シェリー樽由来の果実感に加えて、樽の苦みやスパイスが重なり、味わいにメリハリを与えています。
フィニッシュはスパイシーで、ビターな甘さが心地よく続きます。
59%という高いアルコール度数もあり、一般的な40%前後の商品より力強い飲み応えがあります。
④ 評価・支持される理由
2022 LIMITED EDITIONは、嘉之助蒸溜所の初期原酒を味わえる点でも興味深い限定ボトルです。
特にシェリー樽熟成原酒をキーモルトとしているため、ドライフルーツやはちみつ、ベリー系の甘い香味を楽しめます。
一方で、単純に甘いだけではなく、コーヒーキャンディーや古木、スパイシーなニュアンスが加わります。
この複雑さが、若い原酒を使った限定品としての個性につながっています。
2023年のサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションではDouble Goldを受賞しています。
発売時の希望小売価格は700ml・59%で13,750円(税込)でした。
現在は終売しているため、流通在庫や二次流通で価格差が大きく、確認できる販売例では18,000円前後、さらに高い価格で販売されるケースもあります。
飲み方は、まずストレートで香りと余韻を確認するのがおすすめです。
高い度数を活かして少量加水すると、甘みや果実感の変化を楽しむこともできます。
⑤ 総括
嘉之助 2022 LIMITED EDITIONは、「シェリー樽の果実味と樽のほろ苦さを、59%の力強さで楽しむ初期嘉之助の限定シングルモルト」と表現できる一本です。
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